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バックキャスティングとは


なぜ今バックキャスティングが重要なのか

バックキャスティングの意味

バックキャスティングとは、最初に目標とする未来像を描き、次にその未来像を実現するための道筋を未来から現在へとさかのぼって記述するシナリオ作成の手法である。つまり、過去の実績や現状の課題から未来を考え、路頭に迷うのではなく、未来から逆算して「これから何をすべきか」を考える思考法とも言える。

バックキャスティングの背景

課題の解決にはフォーキャスティングとバックキャスティングの2種類があり、多くの企業はフォーキャスティングの手法で課題の解決を図る。たとえば、過去に実績を基に天気を予測する天気予報などがその実例だ。一方、バックキャスティングは1970年、環境問題をきっかけに生み出された言葉で、地球環境が予測不可能な状態にあると危機感を抱いた科学者が、「持続的な社会の実現」を目指す中で、この思考法を生み出し、バックキャスティングという言葉を生み出した。

バックキャスティングの目的

バックキャスティングの主な目的は、メガトレンドを見つけ、事業へのインパクトを分析すること。背景としては先述の通り、環境が予測不可能な状況下だからだ。とりわけ事業環境は目まぐるしく変化している中で、企業がバックキャスティングにより未来への洞察を深め、組織的な意思決定力を高めていくことは有意義だと言える。その他のメリットとしては、このようなバックキャスティングをワークショップとして行った場合に、自ら未来を描き、問いを立て、解決策を模索すること自体が組織の主体性を生み出す機会になるということだ。

バックキャスティングの方法

バックキャスティングの手順としては準備として、レポートの読み込み、PEST分析などでリサーチ活動をおこなっておくとよい。次に、そのトレンドをカテゴライズする。そのカテゴライズされたトレンドの自社に対する影響度と不確実性の軸で分類する。そのトレンドの塊にタイトルをつけ、メガトレンドとして認識する。メガトレンドと、そこに至るストーリーを共有することで合意形成を図る。これをワークショップとして行うことでメガトレンドを見つけ、事業へのインパクトを分析し、アウトプットすることができる。

①トレンドの洗い出し

PEST分析で政治、経済、社会、技術の観点で分析しているので、ここでも付箋の色で分析しておくと、思考が整理しやすくなる。また、トレンドの記述は「〇〇により、△△が☓☓になっている」というように粒度を統一しておく。そして、未来のトレンドとして洗い出す。後々、アウトプットに漏れを発生させないためにも、ここでは漏れなくダブりなく洗い出すことが重要である。レポートやPEST分析に根拠があれば、より正確なトレンドが洗い出せる。

②カテゴライズ

ここでは、事実のみでトレンドになっていない付箋は省いておく。トレンドを下記のマトリクスにに分類して貼る。その中で、トレンド同士の関係性を確認し、4つの大きなトレンドを選び、タイトルをつける。タイトルの書き方は「一言で合わすと何か」と考える。

③影響度と不確実線を評価する

どのトレンドが自社に対して大きな影響力を持つのか、不確実性が高いメガトレンドはどれなのかということの理解を深め、共有し合う。

④メガトレンドの認識

メンバーでメガトレンドの認識を統一し、自社が企業として捉えているメガトレンドかこのようなものであるということに答えを出す。

⑤発表

チームに分かれているならばプレゼンテーションすることで相互の思考の違う点や、共通する点などに注目しながら理解を深める。また、最終的に統合したものをアウトプットする際には、合意形成する。

結論

バックキャスティングは中長期経営企画の際にメガトレンドを認識する際や戦略策定の際に大いに役立つ手法と言える。今後、不確実性が高まれば、よりバックキャスティングの重要度が増し、普及していくと思われる。ぜひ皆さんの企業や組織でもチャレンジしてもらい、不明点などがあれば、問い合わせフォームより日本オープンイノベーション協会に問い合わせていただきたい。

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